治療成績(当院で妊娠かつ出産の確認ができた患者)

任意のある時点から過去に順番に遡り、妊娠と出産が確認できた20件を確認出来た順に並べました。妊娠はしたが出産が不明(=当院連絡なし)と妊娠はしたが出産には至らなかったものはスキップしました。表の見方には注意点もあるので最後まで読んでいただけるとありがたいです。

を見る上での注意点を2

その1 最も大事なのは「出産」

まずひとつ目。これは今回データに限りませんが、妊活は、とにかく”妊娠(率)”に目が行きがちですが、最も大事なのは”出産”です。年齢が若い場合、流産率も低いので、妊娠≒出産となり、”妊娠率”でもほぼ問題ありません。しかし年齢が上がると残念ながら妊娠の維持が難しくなり、40歳を超えると”妊娠”だけの情報ではあまり参考になりません。学会では『”治療と呼べる成績は43歳まで。治療上43歳までが産める年で44歳は妊娠しても産むのが難しい年”と患者さんに案内して下さい』と言っている先生もおられます。実際2022年4月から体外受精も保険適用の対象となりましたが年齢に制限があり42歳までとなっています。これはその事実を反映していると考えられます。

43歳の妊娠は決してめずらしくない
意外に思われるかもしれませんが、43歳の陽性反応や妊娠は決してめずらしくありません。しかし、大切なのは陽性や妊娠ではなく、妊娠を維持して出産する、ママになることです。43歳を過ぎると、これが難しいのです。若い方は妊娠率を参考にしてもいいですが、40歳以上の患者さんは出産数や出生率を参考にすることをオススメします。今回のでデータ抽出でも、44歳・45歳で妊娠した患者さんは他にもいましたが、残念ながら出産に至らず表に入れられませんでした。 次回こそは…。

その2 妊娠していない人を考慮すると数字は変わる

ふたつ目は、妊娠・出産した人だけを集めたデータに意味があるのか?というそもそもの話。今回の結果は、出産できた患者20人の来院前の平均妊活期間が3.1年に対し、はり治療を受けた結果、平均5.2ヶ月で妊娠して、その後、流産せずに出産に至っているというものです。この結果だけを見ると何となく悪くない?と思われるかもしれません。

しかし、もし仮に半年治療を受けて一度も妊娠しなかった患者が20人いたら?また、1-2回治療を受けてドロップアウトした患者が50人いたらどうなるでしょう? (実際1-2回でドロップアウトする方もおられます。たまにその後に妊娠・出産したとの報告もいただけますがほとんどが結果不明です)

妊娠していない方を考慮すると、この”5.2ヶ月”と言う数字は簡単に変化してしまいます。つまり、この”結果”から「一般に、はり治療を受けると妊娠を早めることに期待ができる」との”結論”には残念ながらなりません。では、この数字と結果には意味がないのでしょうか? 当院は一定の条件で意味があると考えています。

今回の結果から推測できること

今回の結果は、「人工授精の治療期間の目安」に使われる数字に似ていると考えています。それは「人工授精で妊娠した患者を調べてみると、最初の半年(約6回の人工授精)で8割の患者に陽性反応がでる」という報告です。これはかなり知られている事実で、病院が人工授精から体外受精へステップアップする際に参考にしている数字だと思われます。つまりこれは妊娠しないボトルネックとなる原因が人工授精によって解消された方が半年以内に結果が出ることを表しています。これを今回の当院のデータと照らし合わせて考えられる推測はこうです。

『鍼灸で妊娠が早まる患者さんはボトルネックが体質や生活習慣などにあり、はり・きゅう治療によって緩和された場合、平均半年を目安に妊娠できる状態になる。更にその場合は、過去の妊活期間と病院の治療ステージはあまり関係がない』 とのことになります。