妊活:40代ではじめて自然妊娠した例

はりあん

妊活には「これをすれば必ず妊娠できる」という絶対的な方法はありません。ですが、医学的な根拠に基づいた行動を一つひとつ丁寧に積み重ねていくことで、妊娠の可能性を高めることは十分に可能です。
たとえば、自然妊娠を目指して1年間タイミング法を続けても妊娠に至らなかった場合、翌月に妊娠する確率は5%以下になるという報告もあります。そのため、結果が出にくいときには「やり方を少し変えてみる」という柔軟さが大切になります。
その選択肢のひとつとして、鍼灸による体質改善があります。
鍼灸には、自律神経を整え、ホルモンバランスを調えたり、血流を良くしたりする働きがあるとされており、妊活に取り組む体の土台づくりに役立ちます。また、施術中は深くリラックスできる時間でもあり、ストレス発散や気分転換にもなります
「妊娠するために何かを頑張る」というよりは、無理なく続けられる方法で心と体の状態をバランスよく保つことがとても大切です。

属性40代 女性
主訴結婚して3年目。妊活を1年以上しているが妊娠しない。夫婦ともに仕事が忙しく、旦那さんがあまり積極的ではないので1回の排卵に対してあまりタイミングが取れない。
状況

結果
状況:
「妊活を始めて1年ほど経つが、なかなか妊娠できない」とのことで当院に来院。
結婚して3年目。最初の2年は仕事や生活のペースの影響で、妊活に本格的に取り組む時間がなかなか取れなかったとのこと。1年ほど前からタイミングを取り始めたが、夫婦ともに多忙で、思うようにタイミング(性交渉)の回数を確保できないことが悩みの一つであった。
また、3カ月ほど妊活専門の病院に通院していたが、治療に対するプレッシャーや精神的なストレスから通院を中止。できるだけ自然な形で妊娠を目指したいとの思いから、自身の体と向き合う手段として、当院の「カウンセリング鍼灸」を選択された。

◆1回目
初回は約60分のカウンセリングを実施。これまでの検査結果や月経周期、排卵のタイミングなどについて詳しく聞き取りを行った。自然妊娠の可能性を高めるためにどのような方針が適切かを整理し、今後の鍼灸の方向性を共有。そのうえで、心身の状態を踏まえ、体質改善を目的とした施術を行った。
◆2回目(初診から1週間後)
施術中の会話から「タイミングの回数が少ないこと」が妊娠しにくい要因の一つであると考えられた。以前、シリンジ法を試したこともあったが、結果がでなかったのでその後はあまり利用していなかったとのこと。詳しく伺うとシリンジ法は排卵につき1回ほどだったので、旦那さんの協力が得られるようなら身体的・精神的な負担が少ない形で、できるだけ回数増やしてもらうように提案した。
◆3~7回目(7日~10日に1回の間隔で施術)
もともと排卵時期の遅れがみられたが、施術を継続する中で排卵および月経周期が整い始めた。身体のリズムが安定してきたことで、妊娠の可能性を高めるための基盤が形成されつつあった。
◆8回目
周期が整ってきた矢先、生理が予定より1週間遅れたとのことで、妊娠検査薬を使用した結果、初めての陽性反応が確認された。

◆9回目-12回
妊娠14週になり安定してきたので一旦妊活の鍼灸は終了することにした。以降気になったときに安産目的で妊娠中も施術可能だと案内。特にお灸は逆子防止の観点からもおススメと案内。
はりあん

今回の症例は、体質改善が比較的順調にすすみ、これまで排卵までの時間が3週間近かったのが徐々に改善してくる中で、旦那さんの協力のもとタイミングの回数を増やせたことが、早期の結果(妊娠)につながったと考えられます。このように妊娠しにくい原因が複数があるケースは珍しくありませんので、カウンセリングを行った上で、医学的に根拠がある確率を上げる方法を積極的に試すことが大切になります。

  • URLをコピーしました!