医学におけるエビデンスとは

少々古い記事になるのですが気になったので紹介します。ダルビッシュ有さんのリツイートからの引用ですが、まずはお時間があるときに記事を読んでみて下さい。スポーツやワクチン接種など医学的根拠に興味があれば読めると思います。

 ◆ 「エビデンスで殴る」というやり方は、なぜうまくいかないのか

記事の内容に関して細かく触れませんが、今回の内容を理解する上で大切なポイントは、記事の中にもありますが ”医学におけるエビデンスとは「個別の患者への臨床における意思決定に役に立つ確率論的な情報」”という点だと感じました。

話は少しそれますが、鍼灸に携わっていると必ずあたる壁。「鍼やお灸でなぜ症状が改善するのか?」との疑問。そして鍼灸師など多くの方が未だにメカニズムでその壁を乗り越えようとしています。 その試みは大切ですし、常に続けることが鍼灸や医学の進歩につながるのですが 医学的根拠の証明には必ずしもWhy・Howに応える必要ありません

話を戻して、一般にエビデンス、つまり証拠・根拠と聞くと「AがBに作用して痛みが収まる」的なメカニズムでの説明がなされることを期待しますが、 意外なことに医学におけるエビデンスにはメカニズの解明やその説明は必須ではないのです。 むしろどんなにメカニズムが詳細に解明されても疫学的統計に基づいて証明されなければ有効とは言えないのです。

乱暴な言い方をすれば、メカニズムが全く不明でも、疫学的統計に基づいて偶然や思い込みを排除し、結果が有効だとなった場合には、 それは立派なエビデンスになるのです。

この認識がズレていると医学的根拠という情報を使って患者さんを上手に会話ができなくなってしまいます。 まさに本文ある”私たちにできることは「エビデンスを利用すること」だけである”が重要になります。

医学におけるエビデンスの話は、かなりややこしいので、またいつか補足したいと思います。皆さんはどう感じましたか?

医学的根拠に関しては、下記の本や著者の書籍などを参考にしていますのでこちらを読まれるのが一番です

 ■ 医学的根拠とは何か (岩波新書) :津田 敏秀 (著)
 ■ 医学者は公害事件で何をしてきたのか (岩波現代文庫) :津田 敏秀 (著)

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