疲れたとき横になるって大切

疲れた時って横になりたくなりますよね。横になるってなんでしょう?(・_・) イスに座ったまま寝ちゃう人もいますが今回は睡眠ではなく横になることにフォーカスして考えてみます。

疲れたとき横になりたくなるのは簡単に言ってしまえば「横になると身体への負担が減る」からです。まず第一に横になると心臓への負担が減ります。普段立っていて意識することはありませんが、立っている状態は寝ている状態と比較して、重力に逆らって血液を全身に循環させる必要があるので起きている状態の方が心拍が上がり体に負担になります。

心臓の次は筋肉への負担です。これは誰でも想像は付きますね。立っている時は、姿勢を維持する必要があるので常に筋肉が緊張しています。横になるだけでこれが緩和されます。

三番目は神経系への負担です。立っているだけでなく座っている状態を維持だけでも筋肉の他に、それに伴って神経系が常に働いています。筋肉を司るのは主に運動神経ですが、その調整のための命令は小脳が発しており、小脳が命令を発するための平衡感覚の情報は、三半規管以外に、皮膚、骨格筋、腱、関節、視覚などから得られる情報を総合的に小脳が処理し、各種、筋肉などの器官に命令しています。横になっている時はこの情報がかなり減ることになり、結果として神経系の活動が緩やかになります。

最後はリンパ系です。リンパって言葉はよく聞くわりになんだかふわっとした理解かもしれません。リンパにはいろいろと役割があるのですが、そのひとつに免疫反応があります。リンパを流れるリンパ液には毛細血管から出た水分、細胞から出てくる代謝物、老廃物などが含まれています。リンパ液は一旦リンパ節に集められ免疫のチェックを受けることになります。もともとリンパの流れは非常にゆるやかで、皮膚を軽く押さえるだけでリンパの流れは止まってしまいます。実は横になることでリンパの流れが良くなります。リンパ節で免疫のチェックを受けるには、ある程度リンパ液が流れている必要があり、横になることで自然とこれが促されます。(リンパに関しては最後に「がん情報サービス」情報を載せておきました)

以上、横になると起こる良いことを4つ挙げてみました。どれも大切ですが個人的には最後のリンパ系が特に大切だと感じていて、病気の多くはこのリンパ系の免疫反応がうまく働かない状況に陥ったとき起こりやすくなるのではないかと考えています。つまり疲れて横になりたいときは、リンパの流れが悪くなって身体の老廃物や細菌、ウィルス、がん細胞などのチェックが甘くなっている状態で、既に病気のなり始めといってもいいのかもしれません。またリンパについてはまだまだわかっていないことが多いようでです。また機会があったらリンパについて触れたいと思います。リンパについて興味がある方はちょっと難しめですが下にオススメの書籍「リンパの不思議」をリンクしておきました。今回はこれでおしまいです。

リンパ液:血管から染み出した血漿けっしょうやタンパク質の成分などが、毛細リンパ管に再吸収されたものです。老廃物の回収などの働きがあります。

がん情報サービス(ganjoho.jp):用語集「リンパ

リンパ節:体全体にある免疫器官の1つで、全身の組織から集まったリンパ液が流れるリンパ管の途中にあります。細菌、ウイルス、がん細胞などがないかをチェックし、免疫機能を発動する「関所」のような役割を持ちます。リンパがれて大きくなる原因として、感染症、免疫・アレルギー性疾患、血液のがん、がんの転移などがあげられます。

がん情報サービスganjoho.jp):用語集「リンパ節」

大橋 俊夫(2021)リンパのふしぎ ―未病の仕組みを解き明かす (ちくま新書)[Amazonにリンク]

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